4584声 回転する寿司or回転しない寿司

2020年11月07日

今年は横須賀に3回足を運んだ。太田市美術館・図書館で2018年に行われた「現代日本画へようこそ」という展示で、参加作家の一人である谷保玲奈さんという才能ある若き日本画家の作品を映像に収めるためだ。今年は近年やらせてもらっている美術館の仕事の枠を出て、作家個人と組んで映像制作をする年となった。その谷保さんの撮影には、「現代日本画へようこそ」の学芸員であった小金沢智さんもチームとして常に動いていた。

 

3回行って2回、寿司屋へ行った。浜の近く、谷保さんオススメの寿司屋である。おいしくないわけがない。僕は今だに寿司屋へ行くとしたら回転寿司がほぼなので、回転しない寿司屋の寿司を堪能した。仕事の疲れも飛ぶというものだ。

 

親父は魚屋であったが、寿司はカウンターで、などというこだわりはなかった(そもそも、うちの近所に寿司屋が少なかったこともあると思うが)。だから子どもの頃、行くとしたら近所にあった回転寿司「うらしま」だった。

 

僕は、本当はいくらが好きだったが、いくらは確か300円、比べて、けっこう好きなねぎとろは100円であった。回転寿司の事を思い出す時、僕は「ほんとうは高い皿が食べたかったけど、親に気をつかってねぎとろばかり食べて、親からそればっかだなと言われても、俺はこれが好きなんだといってねぎとろばかり食べ続けた」事を思い出す。そんな子どもだった。

 

でも、あの時食べた回転寿司の100円のねぎとろは、忖度抜きにしても、本当に美味しかった。