4592声 地元に帰るor帰らない

2020年11月15日

映画学校を出て、一応テレビのゴールデン番組も作る制作会社に入った。けれどあまりの多忙さに口実をでっちあげて逃げるように辞めた。それで、簡略化するとぼんやりとしたまま地元に返ってきた。逃げてきたのだ、僕はまたあそこに戻るのだとも思っていた。けれどずるずると地元にいて、映画学校の同期に会うことさえ「今の自分を見せたくない」と消極的な気持ちを持ち続けた。

 

映画祭の実行委員長をしていて「しかもこの町の出身なんです」というと大概「それはいいね、すごいね」という返事が返ってくる。ただ、映画祭は第一回開催時は僕はただの観客の1人だったし、実行委員長も長いあいだスタッフをやっていて、映画が好きだから、というような成り行きであることも確かだ。けれど、最近映画祭のやりがいもそうだし、映像が仕事の主軸になったこともあって

 

地元に帰ったことを後悔しなくなった。

 

むしろ、母校に行って「地方に行っても映像は必要とされるぞ」と講演したい気分である(おいおい)。それは冗談として、これから僕がやるべきなのはそのように「地元に帰ったけど、むしろ良かった」と思える人を増やすことなのかもしれないと思っている。それには、仕事をつくるとか、色々ハードルはあるのだけれど、僕が何をする以前に、今中之条町は魅力的なことをはじめる移住者も多く、大きな変化の時にある。先輩面をするのではなく、何ができるのだろうか。