4683声 麦酒の魂

2021年02月11日

天気も良く、穏やかな建国記念の日。気分転換に外房の海を見に行く。海見て帰る何のことはない一日。帰り際に7買い物をして帰った。がさつな詰め方だったことが災いし、袋の端から瓶麦酒の大瓶が路上に落ちてしまった。次の瞬間、王冠が吹き飛んで泡が天上に向け、盛大に噴き出した。慌てて王冠を拾って、噴き出る泡を押さえつけながら栓をしたのだが、街灯に透かして見ると、およそ八割が失われているようだった。麦酒まみれのままとぼとぼと家に帰り、瓶を良く拭いてよく冷やしてから飲んでみた。注いだ瞬間に気が付いたのだが、まったく炭酸がなくなっており、まずそうったらない。案の定、全く炭酸が抜けてしまって、どういうわけか味まで抜けてしまっている。麦酒の魂が抜けてしまっているのだ。ほんのコップ一杯が喉を通らず、涙をこらえつつ流した。