4713声 生きるように働く

2021年03月14日

今日は、東吾妻町に新しく店をはじめる人についていき、その場所を見て回った。ふとしたことで知り合って、新しい店の広告に関する協力をすることになった。あとで詳しく書くかもしれないが、料理キャリアも長いその女性が作る料理はものすごく美味しくて、体に負荷がない材料・作り方を徹底している。こういう人の料理は、マニュアルに沿ってアルバイトが作る料理とは真逆にあるような(そんな牛丼的なものも好きなので否定ではないが)心地よさがある。料理をすることが、息をすることと同じような、仕事でもあり、生活そのものでもあるような人。

 

なんてことを考えると、今年元旦のお気楽俳句ingで、このサイトの立ち上げ人である料理人の堀澤さんが、四万温泉で長年続く「一力鮨」で語った「この鮨がおいしいのは、大将が長年に渡って作り続けてきたからだよね。丁寧に何十年も作ってきたということが味に出ている」的な言葉を思い出す。思えば彼も、仕事でもあるが生活そのものでもあるような料理やビールを出す。

 

「この場所に惚れたの」というその店の予定地は、とても古いものが凛として集まっている不思議な場所だった。一歩外に出れば、岩櫃山から川原湯温泉に抜けるまでの、吾妻渓谷を挟んでの平地と奥の山々とが一望できる。彼女はまさに、生きるように働いている。僕はどうだろうか、生活における仕事の比重だけは重いが、大事なものが欠落している気もする。