4915声 幸せの怖さ

2021年09月23日

秋分の日。昨日も今日も30℃を超える暑さ。10年連れ添った夫婦の、別れを決めた話を聞いた。お金に苦労せず、仲もとてもいいように見えていたが、お金に苦労がなくて仲がいいから生まれる悩み、というのがあるようだった。別れ話は、どうしても無理のあるものになりやすい。どう理屈をつけてみても、不自然な理屈がどこかにできてしまう。それはひとえに、正当化できない部分まで正当化しようとしてしまうからなのだが、なぜ正当化しようとしてしまうのかといえば、離婚が自己否定の要素を孕んでいるからだろう。自分と相手を問い直し、程度の差こそあれ、自己否定を受け入れるのは苦しい。ましてや仲がよかったならば余計にそうかもしれない。とても仲がいいように見える同世代夫婦の別れ話を、今月だけで2回聞いた。2つとも、慣れてしまったことで起きていた自分の油断に気づけなかった時間がある。幸せに慣れてしまいいつの間にか幸せに気づけなくなると、幸せも凶器になる。