4669声 村の初冬

2021年11月16日

高山村で写真撮影を行った。村に移住し、開いた精神医療を進めている田村さんが、患者さんや地域の人を招いて行うご飯イベントだった。集まった20人ほどの中には子ども多数。移住コーディネーターの咲季ちゃんや移住してきた夫婦などが多かったのだが、こんなに子どもがいる村なのかと錯覚してしまうほどだった。

 

とにかく豊かな時間だった。家の中ではピザ記事を伸ばし、庭にあるピザ釜は煌々と熱されていて、田村さんが大きなさじでピザ生地を入れるとあっという間に焼きあがる。農家民宿亀久保ゆっこのゆっこさんは庭の炭火でぐつぐつと鍋を熱し、そこに自分で打ったという太いお切り込みを落とし入れる。と思ったらとなりのお釜のご飯が炊き上がり、慣れた手でおにぎりに。その米は、地域おこし協力隊の西やんたちがはじめて最初から手がけた新米だという。ほふほふと握り飯を齧った西やんの口から暑い湯気が溢れ出た。そんな様子を写真で撮る。

 

子どもたちは、食い気以上に火にくべるための枝の山に登ったりして忙しい。ピザ生地をこねるところを撮っていたら、8歳くらいなのかな、男の子に「ちゃんと、写真撮っていいですか?って聞かないとダメだよ」と怒られた。「そうだね、ごめんね、写真撮っていいですか?」と聞くと「いいよ」と言う。

 

仕事なのか、僕自身が癒されに来たのかよくわからない撮影であったが、ちゃっかり食べ物も全種食べさせてもらった。帰り際にさっきの子にまた「写真を撮っていいですか?」と聞くと、「おじさんはもう知らない人じゃないから撮っていいよ」と言われた。すくすくと育ってほしい。