4682声 朝の松屋にて

2021年11月29日

高崎の朝は、他を知らないからというのもあるが駅近くの「松屋」に自然と足が向いてしまった。朝定食を頼まずに、朝といえどもがっつり牛丼を頼んでしまうのは長年の惰性である。

 

午前7時半、朝飯のピークタイムとも思うが、働いているのはパートさんなのか女性1人だった。いつからか、オープンキッチンかつ食事の提供の速さを求められる店に行くと、働いている人の心配をするようになった。もちろん、余計なお世話である。

 

今はどのファーストチェーンもバイトやパート不足を補うようにシステムの簡略化は進められていて(それすらも僕には1分1秒でも無駄にするなという店からの圧に感じてしまうのだが)、けれど松屋では食券を取りに行き、同時にお茶を出し、厨房で調理して、お客さんに提供し、席を立った机の食器をトレイの上にまとめそれを片手で持ち上げてもう一方の手で台を拭く、という一連がある。吉野家以上にメニュー数が多いと思われ、別の調理オペレーションが必要なメニューが次々に頼まれたら発狂してしまうのではないかと・・余計なお世話である。

 

入店時は僕以外に2人しか客がなく、それでもそんなことをぼんやり考えていたのだが、次第に券売機の前に小さな列ができ、ああ面倒だなと(それは僕の心の声)思ったりもしたが、たった1人できりもりするパートの女性は顔色ひとつ変えることなくテキパキとこなしていた。それが彼女の日常なのだろう。

 

そんな気持ちで腹にかき込んだ牛丼の味は、よく覚えていない。