本日、金メダルを獲った平野歩夢選手は、手拭いを首に巻いてスノーボードをしている。手拭い使いだ。わたしも手拭い使いなので、親近感がわく。
わたしは、もう二十年以上ハンカチは持っていない。呑んで帰るとき、少し肌寒いな、なんて感じるとマフラーのように首に巻いたりしている。なので、その温かさも知っている。小雨のとき頭に冠れば、傘とまではいかなくても、帽子の代わりくらいにはなる。
あるときは、呑みすぎてしまった人の顔を拭くために持たせたこともある。その人は手拭いて口を押さえながら、数人に抱えられ、タクシーに押し込められて消えて行った。
また、あるときは、手を怪我をした人の止血のために使ったこともある。その人は、手に手拭いを巻かれた状態で救急車で運ばれて行った。
酔っぱらいの件も、怪我した人の件も、それだけで、「ひとこえ」に書けるくらいの強烈な思い出だが、そのどちらにも手拭いが色を添えてくれている。
近ごろは、嬉しいことに、お土産としてどこでも売っているようになった。前述ようなことがなければ、手元からなくなることもないので、コレクションは結構充実してきている。
もうハンカチに戻ることはないだろう。
一生、手拭い使いだ。