いま、一番気になる俳人は久保田万太郎である。
俳人といったが、久保田万太郎は、「俳句は余技」を貫いた人であるので、俳人とは呼べないかもしれない。そういった意味では、久保田万太郎の俳句に惹かれている、といったがほうが良いかもしれない。
365日入門シリーズの「万太郎の一句」の2月28日の一句が、表題のものだ。
鶯に人は落ちめが大事かな 万太郎
「余技」とは、文字どおりの余技ということではなく、「余技こそが俳句の本筋」ということらしい。余技としておくことで、俳句の本質を損ねない。逆にいうと、花鳥諷詠だとか、●●運動だとか、●●派だとかは、俳句の本質を損ねてしまう、と万太郎は考えていたらしい。
肩肘張って、頑張ると本質から遠ざかるのは都々逸と似ていて、でも違うような気もして、わかりやすい表現が、いまはおもいつかないけど、なんとなくわかる。
わかりやすい表現ができそうなら、いつか「鶴のひとこえ」に書いてみたい。
ということで、明日からは3月。担当は抜井さんにかわります。よろしくお願いします。