5188声 羊羹界のベルギー小城

2022年07月23日

昨日は、ほとんど羊羹のことを書いていないことに気づいた。小城は、羊羹界のベルギーである、ということしか言っていない。まあ、それが1番言いたかったことなのでいいんだけど。

 

「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」ということわざがある。羹は、野菜や肉を熱く煮たお吸い物だ。羊羹とは、もともと中国における羊の羹だった。日本には禅宗文化とともに渡来して、仏教の教えからだろうか、羊そのものではなく、小豆を羊の肝の形につくって蒸し、汁に入れて供された。後に、蒸し物のまま菓子として供されるようになったのが、蒸し羊羹の始まり。砂糖を加えた餡に寒天をまぜて煮詰めた練羊羹は、江戸時代につくられた。日持ちのしない蒸羊羹をなんとか日持ちするものにできないか、何代にもわたって研究されたらしい。

 

今では、真空パックなどの包装技術の発達により、かなり日持ちのいい羊羹であるが、練羊羹は日持ちさせるための工夫の結果であるので、これらの包装技術が発達する以前においても、かなり日持ちのする画期的なお菓子であった。

 

蒸し羊羹は製造過程で加水するのに対して、練羊羹は炊くことで水分を飛ばすことによるものらしい。ようするに水分のコントロールの話しらしいが、練羊羹は素晴らしい発明だった。

 

現在の日本は、様々なスイーツで溢れているので、羊羹は目立たない存在となってしまっているが、大抵の和菓子屋さんは羊羹を扱っているし、「スポーツようかん」なるものもあって、マラソンやサイクリング、登山をする人にも馴染みの食材となっている。

 

 

 

こんなことを言っておきながら、わたしはベルギーにも小城にも行ったことがないので、いつかは行きたいと考えている。

はやく、コロナに気をつかうことなく、旅が楽しめるようになることを願う。