先日、芥川賞が発表になりましたね。(おとといかな?)
芥川龍之介仏大暑かな 久保田万太郎
さて、昨日は、羊羹の歴史みたいなことを書いてたら、肝心の小城羊羹のについて書くことができなかった。
切ようかん、昔ようかん、断ちようかんと呼ばれる羊羹は、表面がシャリシャリしている。これは、羊羹に含まれる水分をなるべく少なくし、日持ちすることを狙っているため、表面が糖化するためだ。
わたしが密かに「シャリ系」と呼ぶこれらの羊羹は、全国に点在するが、なぜか小城にある羊羹屋にはほぼある。「小城羊羹」と検索すれば、上位には必ず、シャリ系がならぶ。
現在は、包装技術(パッケージ技術)の発達のおかげで、表面を糖化させなくても日持ちさせることができるようになった。すると、わざわざ表面を糖化させ、シャリシャリさせることなく日持ちがし、現代人の好みの柔らかさをもキープできる練羊羹のアルミパッケージが発明されていて、市場を席巻した。しかし、小城ではなぜか昔ながらの羊羹をつくり続けているところが多い。
シャリ系の羊羹は、つくるのが面倒くさい。しかもアルミパッケージに比べると日持ちがしないなどの弱点がある。しかしながら、羊羹通の間では、シャリ系こそ羊羹という、共通認識があり、シャリ系の羊羹をみると、笑顔なる人を何人か知っている。そんな羊羹だ。
このシャリ系の羊羹、小城羊羹は、実は酒のあてとしても優秀である。好みにもよるので、ゴリ押しはできないが、甘党兼左党の人は試してほしい。ナチュールのワインのさっぱりしたものやシンキチ醸造所のビールには合うものが多いとおもう。
ところで、芥川龍之介は、甘党でした。隅田川の流れを羊羹に例えるくらい、甘いものが好きでした。この羊羹は、時代的にシャリ系だろう推察される。
本日、7月24日は、芥川龍之介の命日、俳句の世界では河童忌ともいう。
冒頭の万太郎の句、大胆でいいですね。
芥川龍之介と久保田万太郎は句仲間(連衆)でした。