5253声 バックプロジェクト

2022年09月26日

「伊勢町睦会」は、中之条町伊勢町の商店経営者有志で作る団体。割烹の金幸や駅前の食堂ほづみ、眼鏡のはまやや僕が広告の仕事で関わっているアマダ補聴倶楽部など、中之条町における昔ながらの顔ぶれで構成されている。

 

以前は紙物の商店街マップを作ったこともあったが、何か新しいことをしたいという話があり、移住作家である西岳拡貴くんをぐいっと巻き込んだ。彼は彫刻家であり、カカオの焙煎から行う「Nakanojo Kraft Project」のチョコレート作りの発起人でもある。物体としての作品を作る、というよりは、人との関わりの中で作品を生み出している稀なアーティストだ。

 

今年、彼の発案で、「伊勢町睦会」と地元の「吾妻中央高校」をつないでの「バックプロジェクト」が発足した。中央高校は元中之条高校、中之条高校といえば、学生が自分で育てた野菜を直接リアカーで売り歩く光景と、測量を学ぶ学生が町内の道端に出て棒を立てての測量を行う光景を覚えている町民が多いのだが、その後者、測量を部活動としても学ぶ学生たちとの協働が続いている(僕は主に映像記録係)。

 

今はハイテクで衛星を経由して緯度や軽度、標高が図れる機械があり、学生たちが器用に伊勢町を計測していく。そこから出た数値や、場所と場所を繋ぐ線によってデザインを立ち上げ、それをバックにしてしまおうというのがこのプロジェクトの現段階での目標である。

 

こういう話は、顔ぶれが揃い、行動をしていくとぐんぐんと話が進んでいくもので・・なんと来年の「中之条ビエンナーレ」への出展も決まった。高齢化が進む地元商店と、学区内にある店なんて知りもしなかった高校生たち、そして間をつなぐアーティスト。今年の11月には途中発表会も予定。楽しい方向へ進んでほしい。

 

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追記。今月の投稿をざっと見たら、9/3に似た投稿をしていて、まったく忘れていた。やれやれ。大丈夫だろうか。けれど「冒険家の星野道夫は大切なことは何度でも同じことを話した」と言うから、良しとしよう!(都合の良い解釈)