今朝の通勤途中、高校生どうしの自転車が私の目の前で衝突した。すれ違いざま、片方の後輪にもう片方の前輪が触れたものだった。ふたりとも足を着いただけで、転倒までは至らなかったのは幸いである。
が、次の瞬間驚くことがあった。
ふたりとも、互いに目をあわせることもなく、振り向くでもなく、静かにその場から離れていくではないか。
わたしは、自転車のペダルを踏むふたりの背中を交互に見送った。
ところで、
昨日、紹介した芭蕉の俳句。
なかなかに心をかしき臘月かな 芭蕉
昨日はこんな句を詠みたいと書いたが、どうも詠みたいというよりは、「をかし」と感じられる心境でいたいんだということに気がついた。
さて、今朝の話しに戻るが、
朝一番のニュース、サッカー日本代表がスペインに逆転勝利したことと同じぐらい驚いた自転車事故であった。いや、事故そのものではなくて、その後のスルー振りに、をかしを感じた。
芭蕉の「をかし」には到底かなわないが、わたしにも多少は「をかし」のこころが芽生えていると信じたい。
よく振り返ってみると「をかし」ではなく。「おかしい」のほうかもしれない。