5504声 ものづくりの変容

2023年07月04日

今年も「秋、酒蔵にて」に参加している。一昨年からか、代表もベテランの指物師・吉澤良一さんから、中堅の陶芸家・閑野淳くんに変わり、変わらぬベテラン勢と若手、良い感じに幅が広がってきた。吉澤さんはより自由に主に料理人との親交を厚くし、秋酒に接点を作る。各料理人は県内外で活躍する一線の方たちなので、若手はその料理人と向き合うことで自らのレベルアップを図っているようにも思える。

昨夜はZOOMによる広告ミーティング。昨年からメンバーに加わった、元ジェトロの西原陽子さんが紙媒やSNSだけではなく、プレス関係への投げかけも提案する。ぼくは5年前くらいからか、紙物のデザインで関わっており、テーマ発表もまだだから(このものづくりイベントでは、毎年テーマを定めてそれに沿ったものづくりも行われる)詳細は書かないが、メンバーである書家の宮森庸子さんの書で良い感じになりそう。

「秋、酒蔵にて」を知ったのはもう10年くらい前。自分ちの近所でこんなイベントが行われていることに驚き(めっかった群馬の堀澤さんともこのイベントで親しくなった)、お客からいつの間にかメンバー内に入っていた。そして、そのたった10年でものづくりの世界も明らかに変容している気がする。

10年前は多分、「私は陶芸家であるから陶芸を作るだけだ」という作家がいた。もちろん今もいるし、当時も作ったものを展示会で売る等いろいろやっていたのだと思うが、今のものづくりはものを作っているだけでは活路がない。吉澤さんは多分、僕も知らないアキサカ初期からそれを意識してアキサカを「ものづくりとお客さんとが売買以外の思いで繋がる場」として作った(会期に必ず酒宴があることもその意図がある)。そして若手作家たちは、ものづくり以外でも人と関わっていくことに抵抗がないように見える。どの道を選んでも楽な道ではないが、変容できる人々は、強い。

というわけで、今年もお楽しみに。

「秋、酒蔵にて」インスタグラム