友人の土屋くんとミワさんが営む本屋写真館に初めて足を運んだ。一緒に行った悠貴さん含めて面識や親交があり、ずっと行ってみたい場所だった。
玄関を開けると、壁も床も、木に包まれる。居住スペースでもあるがすぐに、2階の高さにまで届く大きな本棚が目に入る。本棚は、その先の通路の両脇にも、他の壁にも2階にも、いたるところにあり、聞くと10,000冊の本が収容できるとのこと。「suiran」の屋号で古本を取り扱い、現在も伊香保の本と雑貨「やまのは」をしきる土屋くんが今までに集めてきた小説・写真集・漫画・雑誌などが棚のほとんどを埋め尽くしている。そして1階の奥には、ミワさんが家族写真などを撮るスタジオとなっていた。窓は大きく、自然光が射すシンプルなスタジオ。
手すきの時間、僕も(もと言っていいと思う)スマホで映画でもなくyoutubeを見たりSNSを見たりして過ごしてしまう事が多い。その雑多ですぐ忘れてしまう情報を流し見するくらいなら、本を読んだ方が良いだろうなとある程度大人になって以降ずっと思っている。たまには気になった本を読むが、買ったまま積んである本も多い。スマホで本を読む気にはなれず、今そうなのだから、僕も(もと言いたい気持ちである)物体としての本を読み続けていくだろうとは思う。
土屋くんは以前、自分にとってとても大事な本と、詩人の長田弘さんの「なつかしい時間(岩波新書)」を僕に進めてくれた。僕はその本を今までに3度買い、2度人にあげた。そのくらい、良い本であった。時代に左右されない美しい言葉を読んで想像したり考えたり、それは「本を読む」という体験が最適に思えた。
土屋くんとミワさんは終始、良い夫婦だなー、と思わせるところがあった。会いたい人には会いたい時に会いに行く、は実践していきたいことだ。