5525声 黄色い瓜

2023年07月25日

そんなことを書いた翌日には、売り上げとは関係ない事に足を運ぶ。昨年あたりに知り合い何かしらの縁?で顔を度々合わせているyamanofoodlaboの古平夫婦に付き添う形で六合を回った。(yamano~は六合の赤岩に移住し、とてもユニークなことをしているのでインスタ見てみてください)

何度か足を運んでいる、田代原地域の山口英義さんを訪ねる。入山きゅうりや高原花豆などの農業を継ぐまでは東京でエンジニアをしていた英義さん。群馬県の農家で唯一という、ハイテクノロジーを活用する農業の機械や話を聞いて驚いた。六合の山奥と最先端の農業技術。尊敬しかない。

それはそれとして、古平夫婦や、今回都心から訪れたゲストに対し英義さんは丁寧に野菜の話をしてくれた。入山きゅうりは熟れると黄色くなる。収穫量も少ない。見た目が悪いとか、作っても儲からないとか、英義さんが就農した頃は言われていたきゅうりだ。けれど、黄色くなるのは「きゅうりがヨーロッパから日本に渡ってきた時の原種に限りなく近い」証拠なのだそうで、少し黄色くなりはじめの頃が美味いという話。そして、その原種の種を守るために、種取用の畑の周囲にはほかの作物をつけないという話(入山きゅうりは他の農家も作っているが、へちまなどと交配しまざっているものが多いのだそうだ)。ハイテクノロジーよりも個人的にはこちらの方が興味深い。

黄色い瓜。黄瓜。きゅうり。がきゅうりの語源という説もあるとも聞いた。何十回、何百回と繰り返されてきた種の保存の時を思うと気が遠くなる。「売上とは関係ない」と思うことを僕が今も続けてしまうのは、経営者としてはダメな部分であるが、それが先の何かに繋がると思っているからでもある。そうやって今まで生きてきた。

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