先日の焼豚の会に続き、またご飯会にお呼ばれした。「すき焼きやるらしいんだけど、来る?」と誘われ、断る理由はなかった。
すき焼きはもちろん美味しくて、とても良い時間を過ごした。運転の心配はなくても酒はほぼ飲まずにいたが、食事会も終わりまったりしてきた時間に、僕は先月亡くなった姉のことを話していたように思う(ように思う、というのは、これを書いているのが30日だからだ)。誰に対しても話したいということはなく、この時席を一緒にした福島誠さんに対してなんとなく話したくなったのだと思う。
「間質性肺炎で肺の一部が機能しなくなり、姉は残った肺で呼吸をしていた。一番つらい時(最高量の酸素を管で吸引していた時)は、看護婦から、高速道路を走りながら窓を開けて風を受けながら呼吸しているようなものだ、と聞いた」
という話をしたことは覚えている。姉は長い時間、本当に頑張った。その場にいた人たちは何か特別な返しをするでもなく、優しく聞いてくれたように思う。僕はまだ、看護婦からその話を聞いたあの病室の空気感を覚えているが、それが時間と共に感じられなくなっていくことはわかっているし、まだきちんと向き合っていない気もする。だから誰かに話をしたい、という事はないのだが、この日はそんな気分だったのだと思う。
美味しくご飯を食べられること、以上に大切なことは、ない。