5816声 技を自分のものにする

2024年05月10日

技を自分のものにする、ということを考えた時に映像制作については無自覚なものも含めてある程度は積み重ねてこれたのかなとは思う。今日はその分野の話ではなく料理の話。前回の鶴のひとこえでは酒徒著「あたらしい家中華」を熱弁した記憶がある。すでにその第一次盛り上がり機は過ぎてしまって、色々作ることはしなくなったが、残っているものがある気がしている。

本の中で一番作ったのは「白油豆腐」。豆板醤を使わない白い麻婆豆腐。作り方を詳しく書くと著者に悪いので書かないが、ひき肉の旨みとその出汁だけで食べさせる、と言っても過言ではない。ひき肉は調味料だったのだ。

冷蔵庫を開けて、豆腐がなかったのだが。まずは冷凍したひき肉をレンジで解凍し、熱く熱したフライパンに入れる。じゃっじゃと炒めつつ、焦げ付かないように気をつけながら、同時に冷蔵庫にあったピーマン三個をざくざくと適当に切る。で、ひき肉から赤みがなくなったら少量の湯を入れて、同時にピーマンを入れる(青臭いのが嫌いならひき肉と炒めてから湯を入れると良さそう)、ここで一つまみの塩なのだが、それにウスターソース適量を入れてみた。おたまで汁をちょっとなめてみて、いい塩梅であることを確かめる。で、火を止めて、片栗粉を水で溶いて入れて、とろみをつける。完成。

白油豆腐には、ソースは使わない。この「ピーマンのソースひき肉あんかけ」とは別料理だが、作るエッセンスは似ている。とても美味しくできた。

もう10年以上前の事か、めっかった群馬の(ほ)、堀澤宏之さんは仕事が終わってから夜な夜な、この酒にはこの食材をこう調理したものが合う、という研究?趣味?を延々と続けていた。それは途方もないトライ&エラーだったと思う。その結果どうなったかは・・今の彼を知る人であれば、実を結んだ、と断言できるのではないかと思う。今頃になって、料理が面白くなってきた(仕事にはしたくない)。