5818声 まっ昼間からビール

2024年05月12日

高崎に着くと、夏のような陽気だった。

たまたま音楽イベントをやっていた。その特徴として高崎市駅周辺のあちこちで同時多発的にたくさんのアーティストがライブを行うというものがあるようで、高崎市役所へ向かうまでにも3,4か所で演奏している人たちを見た。お客さんが多い場所もあればそうでもない場所もあったが、演奏している人たち自身が一番楽しいイベントに思えたので、総じて幸せそうな雰囲気に満ちていた。

市役所前の広場で、演奏と共に「たかさきクラフトビアフェスティバル」が開催されていた。まずは受付でイベント用のカップを買って、あとは好きなクラフトビールの出店ブースに並びビールを買うという仕組み。まずは迷いなくシンキチ醸造所の列に並んだ。なかなかの長蛇の列だなと思っていたら、受付とは別で、駅弁を売る人みたいなスタイルでカップを売っている坂口さんが目に留まった(このめっかった群馬で書かれている坂口さんです)。このイベントの中心スタッフなのだ。声をかけた。坂口さんが

「市街からもいろんなビールが来てて、シンキチはすぐそばの実店舗でも飲めるのに、こんなに人気なのは嬉しいよね」

みたいな話をして、まさにその通りだなと思った。やっと自分の番になる。すっかり女将役が様になっている智美さんにカップを渡し、堀澤さんがビールを注ぐ(堀澤さんと智美さんは普段、予約制の鮨屋「方」で仕事をされている)。堀澤さんが

「どう?忙しい?」

と聞くので

「おかげさまで。ビールを飲んでこれから映画を観るんです」

と答えると

「最高だね」

と返してくれた。

映画で寝るのも嫌なのでビールは一杯だけとして早々にその場を去ってしまったのだが、多幸感が強かった。そしてなんとなくその日の堀澤さんが桑田佳祐に似ている、と思った記憶があるのだが、なんでそう思ったかは忘れてしまった。