1205声 鶴のひとこえ1200声記念企画 ~クレインダンス対談2~ 第3回(全4回)

2011年04月19日

■クレインダンス対談 第3回

対談:堀澤宏之×抜井諒一

場所:中央前橋駅付近のスナック

演目:「路地の袋小路の店」

ママ:日本酒は八海山、あとビールに焼酎ですね。
堀:じゃあ、焼酎を下さい。
ママ:うちは初めてですか。
堀:はい。夕方にここら辺を歩いてまして、こういう路地がまだあるんだな、
と目を付けてました。
ママ:今は2軒だけになりました、ここも。店はもう43年になりますねぇ。
抜:43年ってぇと、1970年代から。
ママ:そうです。私は新潟ですから。
新潟から出てきて、素人からこの店をずっとやってますね。
堀:じゃあ、この内装とか、建物とかは古いわけなんですね。
ママ:そうですね。ここら辺りの店は、もう何代も変わってますけど、
この店は私からずっと変わってない。だから古いですよ、もう。
堀・抜:(感心しながら内装をじっくりと眺める)
ママ:はい、これ、お通し。
抜:これはなんですか。
ママ:摘み菜です。
抜:菜の花ですか、旬ですね。
ママ:昔はねぇ、こうやってカウンター越しのお客さんに、
説教したり、いろいろ講釈したりしたもんですよ。
私は、うるさい方でしたから。
今はねぇ、若い人はこないですね、滅多に。
抜:そうですか。珍しのか、僕らみたいなのは。
ママ:でもねぇ、社会の勉強は、こういう所でするんですよねぇ。
いろいろな人が来て、話してねぇ。

「ピピピピ」、突如、ママの携帯電話が鳴る。

ママ:娘からだ。はい。あれは大丈夫だった。
そうかい、今ね、青年が来てるんだよ、店に。
そうだよ、はい、はい、じゃあねぇ、はい。
(ママには最近、初孫が生まれたらしい)
いや、すみませんでしたねぇ、こんな袋小路みたいな店に来てもらって。
堀:「袋小路」、良い言葉ですぇ。
ママ:今は前橋にこう言う路地が無くなりましたからねぇ。
「呑龍マーケット」くらいじゃないですか、もう。
抜:そうですぇ。でも、呑龍に匹敵しますよ、ここは。そして、この店は。

【天候】
終日、雨。
午後には嵐に如く、風雨強まる。
夜半ごろに上がる。