鼻の骨が折れて以来。
なので、およそ一週間ほど、酒を抜いている。
と言っても、毎晩、酌をする習慣も無いので、
殊更、酒を渇望する心持にもならない。
しかし、鼻の具合も少し良くなり出し、気候も暖かな、本日。
「ちょいと、麦酒の一杯くらい」
と言う欲求が、初めて湧いてきた。
その欲求に従う事なく、コーラでごまかして、おとなしくしている。
そこで、そろそろ、新しい空気を入れないと、とも思っている。
糠床と同じ様に、時にはかき回して、糠床内にある、
下部の糠と上部の糠を入れ替えてあげる。
と言うのは、私たち人間の心にも必要。
だと、生活の中、あらゆる場面で感じている。
特に、創造的な作業をする局面では、重要だろう。
十分に菌を培養している糠を、上へ出して空気に触れさせる。
或いは、下にもって行って、空気を遮断する。
これを怠らなければ、糠床の菌の状態はより良く保たれ、
美味しい糠漬けが出来るのである。
つまり、酸素を嫌がる菌と、酸素を必要とする菌の、均衡を保つ。
それは、人の心も同じで、常に「菌」の状態を正常に保っておかないと、
様々な弊害が生じる。
平たく言えば、腐ってしまう。
腐った心からは、黴の生えた物しか生まれない。
だから、私の書く文章に、黴が生えない為にも、
麦酒を飲んで、心をかき混ぜる必要がある。
などと、強引にこじづけて、早い話、麦酒が飲みたいだけなのである。
だけど、心の「かき混ぜ」ってのは、大切だろうね。
特に、私みたいな腐りかけの人間には。
【天候】
終日、曇り一時小雨。
午後から下り坂だが、ごく弱い雨。