1239声 梅雨の湯

2011年05月23日

「リセット」
しなきゃだな。
と思い立って、メモ帳とペンをポケットに、近所の公園へ。
メモ帳とペンてぇのは、俳句を書き留める為。
自然の中を歩きながら、句を推敲していると、
これが意外と、気分転換になる。
つまりは、リセットできるのである。

その方法は、人それぞれ。
私みたいに、「自然に触れたい」
と思う方もいれば、「人波に流されたい」
と、思う方もいる。
はたまた、あのパチンコ店の喧騒の中で、
パチンコ台に流れて行く玉を見つめていると、
「無心になって、とてもリセットできる」
と言う人だっている。

そう考えると、多くの日本人にとっての、「風呂」。
ってのは、一日の生活中で、とても重要なリセットポイントである。
風呂上がりの、あのすっきりとした感覚は、
まさしくリセット後の爽快感に他ならない。

子供の頃は、「リセットしなきゃだな」なんて、思った事もない。
それは、心のろ過装置の稼働率が良かったのだろう。
大人になって来るにつれ、その稼働率が甚だ悪くなる。
すぐに、老廃物が溜まってしまう。
そうなると、体が、心中環境の正常化を求めてくる。
それを捨て置いてしまうと、気持が萎えたり、病気になってしまうのだろう。

だからこそ私は、行き場を無くした東京で入った銭湯に、
魅せられてしまったのかも知れない。
大人の入り口でつまづいていた私を、
あの下町の熱い湯が、リセットしてくれた。
もっとも、リセットし過ぎて、群馬県に帰郷してしまったが。

今日みたいな、雨。
と言うのもまた、リセットポイントだと思う。
そう考えると、これから始まる梅雨の時期てぇのは、
大いにリセットできる期間なのではなかろうか。
その後には、あのギラギラの夏が控えている。

丁度、銭湯で汗を流してから、酒席に参加する。
と言った具合であろう。
先週の私が、伊勢崎市の寿美乃湯でひとっ風呂浴びてから、
酒席に参加したように。
これから始まる陰鬱な梅雨の期間に、世の塵を洗い流して、夏を迎える。
そうすればきっと、麦酒の味は、格別であろう。

【天候】
朝より、終日、雨。
走り梅雨にはいっている模様。