1247声 あの日のほうたる

2011年05月31日

梅雨の晴れ間で、朝から爽やかな青空が広がっていた。
五月も今日で終わって、明日から六月。
六月ってのも、何だか雨に煙っていて、印象の薄い季節である。
視界不良な中でも目に付くのは、19日の桜桃忌。

「桜桃忌」
文学好きでなくとも、毎年、この日はテレビ等で取り上げられるので、
目にした事くらいはあるだろうか。
小説家、太宰治の忌日、とされている。
玉川上水に入水したのは、1948年6月13日なので、命日は13日、だろう。
また、この日は、太宰治の誕生日でもある。
一昨年は、「太宰治生誕100年」という節目の年で、
映画や小説のリバイバルなど、様々な面で、スポットが当てられていた。

毎年、忌日に故人を偲ぶと言うのも、
何だか、ふと思い出して偲ぶようで、申し訳ない。
忌日にされるのは、望むべき形ではない。
そう言う故人だって、少なからずいるだろう。
しかし、死んでしまったら、口出しは出来ない。
なので、生きている者の、好きなようにされてしまう。

もし、その人が、生前、小説家だったら。
死後、自分の作品が映画化されようが、舞台化されようが、
また作品がリバイバルされようが、「待った」、はかけられない。
それが、死ぬ、と言う事なのだから、仕様が無い。

明日からまた、梅雨の天気になると言う予報である。
一雨ごとにあたたくなって来て、六月中旬頃には、
蛍が盛んに飛び始める。
私の生活圏の周辺では、前橋市の田口町が有名である。
ここ、二、三年は毎年見に行って、下手な俳句を幾つか拵えて来る。
1948年の初夏、玉川上水にもきっと、蛍は飛んでいたのであろう。

【天候】
朝より、雲多くも快晴。
夕方より曇り。