1250声 コーラはアカ

2011年06月03日

「さうぢやない」
と、旧かなづかいで記載する事によって、
若干の威圧感を持たせようと言う趣向、である。
趣向はよいのだが、「そうじゃない」と、声にならない声が、
我が胸中にこだましていた。

場所は、コンビニエンストア店内。
入店し、飲み物を買おうと、店内奥の飲料クーラーへ向かった。
クーラーの前には、女子高生が二人。
私は目撃した。
左の子が、コカコーラのペットボトルを手に取った。
すると、すかさず、右の子がツッコミを入れる。
「えっ、ゼロじゃないとヤバくね」

「ゼロ」と言うのは、糖分ゼロ、保存料ゼロ、合成香料ゼロと言う商品。
最近では、「ゼロフリー」なんて商品まであり、
糖分ゼロ、保存料ゼロ、合成香料ゼロ。
そして、カフェインまでゼロ。
じゃあ、何を飲んでいるのか。
などと、素人考えで思ってしまう。

それから、その右の子。
ゼロコーラの安全性、普通のコーラの危険性を、学者の如く論じている。
「この赤色が危険じゃん」
などと、ユーモアを交えつつ、左の子を説得して行く。
遂には、左の子。
一度手に取ったコーラを戻し、ゼロコーラを手に取って、レジへと向かった。

私は左の子を、真のコーラフリークと見た。
巷の風潮では、猫も杓子も、合言葉は「ゼロ」、である。
清涼飲料水も然り。
コカコーラにファンタに、三ツ矢サイダーまで、
ゼロと記載していなければ、売れない。
そんな状況である。

しかし、コーラの味に親しみ、そして、その味に惚れ込んだ真の愛好者は、
今でも、赤いコーラを買う筈。
健康、云々の前に、味、なのである。
端的に言えば、「ゼロ」商品は、すべからく味が薄い。
そして、炭酸が弱い。

忘れてしまったのである、私たちは。
あの、赤いコーラの味を、である。
あの独特の風味と、炭酸の刺激。
そして、コクのあるのど越し。
ゼロだから、てぇんで、ごくごく飲んでも良い。
そうじゃない。
ゼロでも甘味料等は含まれているので、
むしろその方が、危険であると、思う。

私が子供時分、好きだったコーラが、「ジョルトコーラ」である。
よく飲んだ。
あの強烈な味に、慣らされてしまった感がある。
ジョルトコーラの売り文句は、「カフェイン2倍」であった。
「カフェイン2倍の砂糖100%」
が、大いにアピールポイントになった時代が、あった。
今のところ、成人病にはなっていない。

【天候】
梅雨の晴れ間で、気温が上昇。
蒸し暑い一日。