1257声 山桑の実

2011年06月10日

昨日、沖縄気象台が、沖縄の梅雨明けを発表した。
昨年より十日も早い。
この調子で行けば、本州の梅雨明けも、例年よりは早くなるだろう。
今年は、暑い夏になりそうである。

我が家の庭では、いま、山帽子の花が最盛を迎えている。
手裏剣を思わせる花の乳白色が、鉛色の梅雨空に映えている。
今時期は、峠道などを走っていても、この山帽子の花が目に付く。
緑滴る景色の中に、爽やかな白色を添えており、とても綺麗である。

この山帽子、別名、「山桑」とも呼ばれている。
秋になると、真っ赤な果実を付け、それが桑の果実に似ているから、である。
この果実。
食用として、生でも食べられる。
好きな人などは、果実酒にしたり、ジャムにしたり、
様々な加工品の材料として、利用している。
街場では売っていないので、里山まで買いに来る人もいるくらいである。

私は、一度も食べた事はない。
その形は、さくらんぼをトゲトゲにしたようであり、
さくらんぼを「善」とすると、間違いなく、「悪」と言う印象である。
摘む人もいないので、秋口になると、庭先に転がっている果実を見掛け、
そこはかとなく、寂しい心持になる。

食べる方は、鳥に任せ、私はもっぱら、紅葉の方を楽しんでいる。
山帽子の紅葉を見るには、これから来る夏を乗り越えねばならぬ。
今は未だ、山帽子の花に涼しい風が通っている。

【天候】
終日、曇天で蒸し暑し。
夜半まで、蛙が景気良く鳴く。