1259声 川場村吟行譚

2011年06月12日

第16回を数える、「わるのり俳句ing」の日、であった。
今回は、現地集合なので、「道の駅田園プラザかわば」で、
参加者と待ち合わせ。
顔合わせが済んでら、さて、ここから「渓山荘」へと、移動。

渓山荘は温泉宿なのだが、「初夏の市」と言うイベントが開催されており、
緑滴る庭園で、フリーマーケットが開かれている。
その中を、俳句帳を携えて、吟行。
特に、渓山荘の古風な雰囲気には、とても感動した。
中でも、村内にあった諏訪神社の舞殿を移築した、特別室が凄い。
天井をめぐっている太い梁、広く開放的な部屋。
欄干の下には、錦鯉が優雅に泳ぐ池がある。

「ここで詠めなきゃ、俳人じゃない」
と言う、勇み足気分にならずに済んだのは、今日、
この部屋の中で雑貨などが販売されていたから。
民族調なアジアの雑貨と、この荘厳な部屋の取り合わせ。
とても、刺激的である。

雑貨を買う人。風呂に入る人。飯を食う人。句作に没頭する人。
ひとしきり楽しんで、野山を散歩をしながら、駐車場まで歩く。
次に向かったのは、花の名所として名高い「吉祥寺」である。
今回、事前にこの俳句ingの行程表を見た方は、
川場村から東京の吉祥寺へ行くのだと思ったらしい。
それも面白そうだが、この吉祥寺は、渓山荘から2kmと離れていない。

吉祥寺の山門をくぐると、初夏の花に彩られた美しい境内に、
参加者一同、息を飲んだ。
「これ、なんて言う花ですか」
と言う参加者からの質問に、「俳句の花図鑑」を捲りながら答える。
カキツバタ、セキチク、ユキノシタ、ボタン、様々な初夏の花で、句作。
本堂では、抹茶を飲む事ができ、茶席のいろはが分からない私は、
アタフタと、たじろいでしまった。
まず、箸の持ち方から注意されている始末であったが、
滝の瀬音が涼やかな本堂で、日本庭園を眺めながらの抹茶は、
とても心地好いひと時となった。

足のしびれを残しつつ、吉祥寺を後にし、道の駅へ戻って、句会。
と言う運びだったが、道の駅に付くと、営業時間終了の放送。
急遽、河岸を変えて、沼田市街の焼き肉屋で、句会。
ノンアルコール麦酒を片手に、カリカリと短冊に句を書き進める。
「生中入ります」
と言う店員のお姉さんの掛け声に、一瞬、ペンを止めつつ。

以外にも、と言うのも可笑しいが、以外にも佳句が多く見られ、
中には、この句会の醍醐味となるわるのりな句もあり、楽しい句会となった。
よく食べ、よく詠み、よく遊んだ、満足感かつ充実感ある一日であった。
「自分なりの形で、俳句を活かす」
などと、ノンアルコール麦酒で酔う筈もないが、帰路の途中。
そんな事を考えていた。

【天候】
終日、曇天。
夜半に雨となり、その後、降ったり止んだり。