「自律神経出張中」
何故だか、そんな言葉を思いついて、
深夜の机に向かって、二ヤリとしてしまった。
まてよ、と思い直して、キーボードを叩いて検索して見たところ、
やはり、約60,800件もの検索結果が表示された。
俳句で言うところの、「類句・類想」であろう。
我が自律神経は失調しているのでなく、少し出張に出ているだけ。
なんてギャグ的発想は、誰しもが考える面白味のないものだった、
と言う訳である。
毎年この、梅雨時期。
自律神経失調症と診断される方や、その症状を訴える方が、
急激に増加する。
と言う内容を、カーラジオで知った。
確かに、お天道様を拝めない日が続いている、最近。
身を持って毎日のだるさを体感している。
特に女性の方が、かかり易い様で、だるさ以外にも、
肩こり、イライラ、不眠に冷え症などの症状が顕著になるらしい。
そう考えると、私の自律神経などは、まだまだ失調とも出張とも言えない。
毎夜、夜更かししているのだから、だるくて当然なのである。
しかし、どうも昨夜の一つの光景が頭から離れぬ。
そこは蛍の沢、である。
闇夜の中、飛び交う蛍を鑑賞していると、畦道の向こうが何だか騒々しい。
やって来たのは、一団体、と言える位の人数。
およそ、三十人くらい。
学生のクラスメイトであろうか、二十代前半くらいの男女が、通り過ぎて行く。
実に騒々しい、が、奥のどんつきまで行って、直ぐに引き返して来た。
私は、無論関せず、蛍の火を凝視しながら句作している。
そこへ、ふわりふわりと、風を掴んだ蛍が、発行しながら飛翔して行く。
集団の最後と思しき、男女の頭上まで来て、その男。
飛び上がって、その青白き蛍火を、右手で鷲掴んでしまった。
「あっ」
と胸中で思った矢先。
手から毀れ落ちた蛍火は、畦道の脇に転がり、
二三回瞬いてから、消えてしまった。
「やべぇ、ほたる、しんじったわ、ははは」
そう言うと、笑い声と共に、男女睦み合いながら、帰って行った。
男女から、蛍が落ちた場所へ、再び目を移すと、
それっきり、濃い闇があるだけだった。
【天候】
終日、曇天。
時に小雨が交じるが、降る、とまではいかなかった。
気温も左程上がらず、長袖でも過ごせた。

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