1264声 句の風味

2011年06月17日

金曜日の晩酌。
と言うのは、土日を控えた解放感から、少々度を過ぎて飲んでしまう。
それでも、外で嗜むよりも随分と、安上がりである。
家に居る安心感から、酔いの回りも驚くほどはやい。
只、難点があるとすれば、いくら飲んでも、面白くも可笑しくもないところ。
ギャグを思い付いたところで、それを発表する場が無いのが、
つらいところである。

最近は、などと、酔った上の身の上話。
聞かされる方はたまったものではないが、
聞かせようとしている方は、心地好いので、いま、そのまま続けよう。
最近は、気になった作家の句集を手に入れて、乱読している。
以前は、随筆、小説などの類が多かった。
しかし、最近ことに、俳句関連の本、それも、古本屋で買った、
有名俳人とは言えない、半ば無名俳人の句集を読んでいる。

その量が増えているのは、読了する時間にある。
句集は、早い、のである。
例えば詩集であると、一つの詩を読む時、
ご飯を口にした時のように、咀嚼する時間が、多少なりともかかる。
これが句集にになると、まるで、そばかうどんを啜っている様に、
喉を通って行くのである。

俳句は特に短い一行詩であり、概ね、定型であるので、読みやすい。
例え、三百頁の分厚い句集とて、二時間もあれば十分に読了できる。
その早さが、リズムが、とても心地好いのだが、おそろしくもある、と思った。
考えても見れば、喉越しだけよくて、食べ終えてから味わいなど、
思い出せぬ様な、そばやうどん。
そんなように、一冊の句集の中に、味わいの残る句がいくつあるか。

口の中で、もそもそと、喉越しはとても悪いけれど、
風味のある田舎暮うどん。
古本屋の片隅で埃をかぶっている、無名俳人の句集には、
そんな味わい深さもある。

【天候】
朝より雨。
午前中には上がり、夕方には晴れ間も若干。
終日、長袖で丁度好い気候。