1273声 間と麦酒

2011年06月26日

「地麦酒が良い」
と、感じる時がある。
それは、独りで飲んでいる時。

仲間と酒場へ行く。
そんな「楽しい酒」の場では、飲み口が軽い、所謂「ふつうの麦酒」が良い。
ジョッキでゴクゴクと飲み、かつ喰い、大いに語らいたい。
しかしこれが、独りへ酒場のカウンターに腰掛けている時。
飲み口の軽い麦酒が、とても空しく感じてしまう。
この場だけ、日本酒党との連立政権で乗り切ろうと言う考えに、至ってしまう。

そんな時に、地ビール。
香りが豊かもの、飲み口が重く、味わいが深いもの。
ひとつひとつそのキャラクターが違うので、
まさに「酒と語らう」と言う調子で、一口づづゆっくりと飲み進める事が出来る。
それが分かってから、独り酒の、あの「間」を、殊更、おそれなくなった気がする。

地麦酒に興味を持ち始めたのは、二十代前半の頃。
学生時代からの余韻が、ようやく消えかけていた時期である。
その辺りから、人生に生まれて来た「間」を、埋める為、
ふつうの麦酒から、地麦酒に手を伸ばしのかも知れぬ。

【天候】
終日、小雨交じりの曇天。
気温左程上がらず、街には長袖の人も目立つ。