「おっ、注文だ」
メールボックスに届いた、久方ぶりに入った本の注文メールを、クリックした。
翌日、本を発送し、それから数日経ったある日。
購入者から、一通のメールが届いていた。
銭湯の事について、本を買って頂いた方から質問を受ける事が度々ある。
その多くは、群馬県内の銭湯事情についての内容が多い。
そして、皆一様に、文末の最後で、銭湯文化全体の衰退を嘆いている。
メールを開くと、今回も同じく、銭湯事情の質問であった。
しかし、その内容は、銭湯の経営にまで突っ込んだ、随分と深いもの。
何通かメールをやり取りすると、彼の真意が分かって来た。
「将来銭湯を経営したい」
と言う彼は、未だ三十代だと言う。
行間から熱意の溢れるメール文章を読んでいて、
その願望が、只の思い付きではないと言う事が分かった。
年を重ねる毎に減り行く銭湯。
それでも、こう言う若者がいると言う事は、
減り行く中にも一縷の光がしている。
「日常の銭湯から非日常の銭湯」
として、地域コニュニティーの中おける銭湯の位置も、変わって来ている。
平日はガラガラに空いていて、土日祝日はギュウギュウに混んでいる。
と言う銭湯を、多く見かけた。
いつか群馬にも、新しい形態の伝統銭湯が登場する。
その予感を少しだけ感じた。
「群馬にも」と言うのは、大都市ではいくつかその例が見られるから。
つまり、伝統銭湯の歴史を牽引している銭湯、である。
それが群馬にあったら、面白い。
地方にありながら、固有の文化を維持できている、類稀なる県。
それが群馬だったら、尚、面白い。
【天候】
朝より晴れ。のち曇り。
気温は上がり、30℃を越える蒸し暑い一日。