1275声 銭湯の予感

2011年06月28日

「おっ、注文だ」
メールボックスに届いた、久方ぶりに入った本の注文メールを、クリックした。
翌日、本を発送し、それから数日経ったある日。
購入者から、一通のメールが届いていた。

銭湯の事について、本を買って頂いた方から質問を受ける事が度々ある。
その多くは、群馬県内の銭湯事情についての内容が多い。
そして、皆一様に、文末の最後で、銭湯文化全体の衰退を嘆いている。

メールを開くと、今回も同じく、銭湯事情の質問であった。
しかし、その内容は、銭湯の経営にまで突っ込んだ、随分と深いもの。
何通かメールをやり取りすると、彼の真意が分かって来た。

「将来銭湯を経営したい」
と言う彼は、未だ三十代だと言う。
行間から熱意の溢れるメール文章を読んでいて、
その願望が、只の思い付きではないと言う事が分かった。

年を重ねる毎に減り行く銭湯。
それでも、こう言う若者がいると言う事は、
減り行く中にも一縷の光がしている。
「日常の銭湯から非日常の銭湯」
として、地域コニュニティーの中おける銭湯の位置も、変わって来ている。
平日はガラガラに空いていて、土日祝日はギュウギュウに混んでいる。
と言う銭湯を、多く見かけた。
いつか群馬にも、新しい形態の伝統銭湯が登場する。
その予感を少しだけ感じた。

「群馬にも」と言うのは、大都市ではいくつかその例が見られるから。
つまり、伝統銭湯の歴史を牽引している銭湯、である。
それが群馬にあったら、面白い。
地方にありながら、固有の文化を維持できている、類稀なる県。
それが群馬だったら、尚、面白い。

【天候】
朝より晴れ。のち曇り。
気温は上がり、30℃を越える蒸し暑い一日。