民謡を聞きながら強かに酔っている。
と言う事はどうでもよくて、昨日、書けなかった分を書かねばならぬ。
「蛍句会」
と相成った昨日は、先生宅へ集合してから、車を乗り合わせて、移動。
俳人が俳人を呼んで、七人のメンバーとなった。
若輩の私は勿論、運転手で、ハンドルを握ることおよそ、十五分。
着いた先は東吾妻町の「箱島湧水」。
群馬県では、名水と共に名高い、蛍スポットである。
「ゲンジが終わってヘイケ」
とおっしゃったのは先生。
ヘイケホタルの、忙しなく明滅する光につられ、
真っ暗やみの中、句帳に句を認めてゆく。
「乱舞」とまではいかないが、それでも、地上にある星空の如く、
蛍の火が草むらに息づいていた。
蛍沢から周辺の里山を歩いた。
道脇にある、墓場に、二、三の蛍火が舞っていた。
「会いに来たのね」
着物を着ているメンバーの一人がそう言ったが、私も、そんな印象受けた。
戻り来て、蛍守の方がいる横に、小さな池があった。
水面には、夜よりも深い色で、山並が映っている。
ゆらゆらと飛んで来た蛍に、生まれている影が、水面に映っていた。
ひとしきり見て歩いて、先生宅へ帰って、句会。
句は当然ながら、「蛍」と言う季題に集中していたが、
一つの季題に集中していると言うのも、
詠む人毎、様々な季題の捉え方が顕著に分かり、面白かった。
私は、まずまずという結果だった。
夜も更けて、帰路の途中。
蛍守の方が行った言葉が、耳の奥に残っていた。
「明日も勤めがありますからね」
幻想的な蛍の火の、非現実世界から、世俗の現実世界へ、
一気に戻される思いがした。
【天候】
曇りがちな晴れ。
夕立があり、その後、高崎方面に夕虹がかかった。