1301声 ジョウモウ大学伊勢崎句会

2011年07月24日

「じゃあ、授業開始の時刻になりました」
と言う事で、今回の教室である、ほのじ厨房から顔を出すと、
浴衣で満席の教室。
有り難い事に、定員の十五名から一名増えて、十六名での授業となった。

まずは簡単に、俳句の「取扱説明書」的な説明を述べて、
早速、吟行へ出掛けた。
参加者全員、今日が生まれて初めての句会。
と言う、新鮮な目を持った方々。
炎天下の伊勢崎市街地を、歴史散策しながら、歩いている最中、
「これ、季語になりますか」
と言う質問を、多く受けた。
夏木立、緑陰、夏の風、夏の空、入道雲。
そんな季語をメモ帳とペンを持って見つめているのは、
日傘に浴衣の、まさに歩く季語みたいな人たち。

街の文化遺産を見学しつつ、路地裏を歩く。
広瀬川で心地好い風を感じたり、道すがらの商店でかき氷を食べたり。
確かに吟行しているののだけれど、参加者みな、子供の様な無垢な笑顔を浮かべて、
仲間と一緒に、街歩きを楽しんでいる様子。

句会場の緑寿司に到着し、二階で句会。
投句は三句。
短冊を回して、句を清記して行く。
厳選された三句で勝負して来る方もあれば、
三句の中に遊びの一句を入れられるほど、余裕で楽しんでいる方もいる。
みなの選句を披講すると、なるほど、参加者の座で人気のある句が分かる。
多様な眼差しをもった、色彩豊かな句が沢山見られた。
俳句の垢がついていない、と言うか、無垢で新鮮な句ばかりが並んでおり、
一句づつ読んでいて、とても清々しい思いがした。
私が特選に頂いた句など、まさに、その調子。

初めて会う人とでも、句会をが終わる頃には、自己紹介など入らずに、
打ち解けられた心持になる。
あの妖艶かつ涼しげな浴衣と、かき氷と、伊勢崎の街なみと、
みんなの、少し恥ずかしげな笑顔が、いま鮮明に思いだされる。
それを持って、昨日のジョウモウ大学の授業は成功したと、私は自負する。

【天候】
終日、曇りがちなる晴れ。
午後から雲多し。