「じゃあ、授業開始の時刻になりました」
と言う事で、今回の教室である、ほのじ厨房から顔を出すと、
浴衣で満席の教室。
有り難い事に、定員の十五名から一名増えて、十六名での授業となった。
まずは簡単に、俳句の「取扱説明書」的な説明を述べて、
早速、吟行へ出掛けた。
参加者全員、今日が生まれて初めての句会。
と言う、新鮮な目を持った方々。
炎天下の伊勢崎市街地を、歴史散策しながら、歩いている最中、
「これ、季語になりますか」
と言う質問を、多く受けた。
夏木立、緑陰、夏の風、夏の空、入道雲。
そんな季語をメモ帳とペンを持って見つめているのは、
日傘に浴衣の、まさに歩く季語みたいな人たち。
街の文化遺産を見学しつつ、路地裏を歩く。
広瀬川で心地好い風を感じたり、道すがらの商店でかき氷を食べたり。
確かに吟行しているののだけれど、参加者みな、子供の様な無垢な笑顔を浮かべて、
仲間と一緒に、街歩きを楽しんでいる様子。
句会場の緑寿司に到着し、二階で句会。
投句は三句。
短冊を回して、句を清記して行く。
厳選された三句で勝負して来る方もあれば、
三句の中に遊びの一句を入れられるほど、余裕で楽しんでいる方もいる。
みなの選句を披講すると、なるほど、参加者の座で人気のある句が分かる。
多様な眼差しをもった、色彩豊かな句が沢山見られた。
俳句の垢がついていない、と言うか、無垢で新鮮な句ばかりが並んでおり、
一句づつ読んでいて、とても清々しい思いがした。
私が特選に頂いた句など、まさに、その調子。
初めて会う人とでも、句会をが終わる頃には、自己紹介など入らずに、
打ち解けられた心持になる。
あの妖艶かつ涼しげな浴衣と、かき氷と、伊勢崎の街なみと、
みんなの、少し恥ずかしげな笑顔が、いま鮮明に思いだされる。
それを持って、昨日のジョウモウ大学の授業は成功したと、私は自負する。
【天候】
終日、曇りがちなる晴れ。
午後から雲多し。