納涼祭へ行ってきた。
それは、町内会や地元企業主催ものではなく、
一軒の銭湯が主催する納涼祭、なのである。
桐生市にある三吉湯では、ここ数年、納涼祭を開催し、
街の賑わいを創造している。
店先と往来の間に、テーブルとタラップを設置し、
そこでビールを飲んだり、食事を食べたりしながら、憩う。
食事処のある三吉湯なので、料理はいわゆる縁日のそれよりも、
遥かに本格的な品揃え。
地元の民謡に、地元出身の歌手の曲が、次々BGMとしてかかっているのも、
なんだか、微笑ましい。
その中で、やはり一際元気なのは、夏休みの子供達。
友達と連れ立って、みな自発的に手伝いをしたり、かき氷機を回したり、
その身体から楽しさが零れ落ちんばかりに、はつらつと活動していた。
お兄ちゃんは、妹にラムネを買ってあげたり、
弟はお姉ちゃんに、くじ引きをねだったり。
「この光景、何処かで見た事が…」
などと考えていたら、何の事は無い、昔、路地裏にあった駄菓子屋の光景なのである。
銭湯を中心として、街のみんなが集まる。
街の「みんな」が、なのである。
大人も子供も、御隠居さんも与太郎も、熊さんも八っつあんも。
この人間模様が、銭湯なんだと、子供たちと一緒にラムネを飲んでいて、改めて感じた。
あの子供たちは、きっと大きくなってから、また三吉湯に来るであろう。
学生になってからか、社会人になってからか、はたまた、自分の子供と一緒にか。
桐生の街には、そう言う、良い文化が残っている。
三吉湯を辞してから、周辺の何軒かの銭湯へ伺って、帰路へ着いた。
炎天下、汗だくになりながら、ランニングシャツ一枚で薪を燃している銭湯の親父さんたち。
湯船に浸かっていながら、本当に、頭が下がる。
【天候】
朝より一時強く降る雨。
午後には回復し、その後、雲多くも晴れ。