1307声 湯屋の納涼祭

2011年07月30日

納涼祭へ行ってきた。
それは、町内会や地元企業主催ものではなく、
一軒の銭湯が主催する納涼祭、なのである。

桐生市にある三吉湯では、ここ数年、納涼祭を開催し、
街の賑わいを創造している。
店先と往来の間に、テーブルとタラップを設置し、
そこでビールを飲んだり、食事を食べたりしながら、憩う。
食事処のある三吉湯なので、料理はいわゆる縁日のそれよりも、
遥かに本格的な品揃え。
地元の民謡に、地元出身の歌手の曲が、次々BGMとしてかかっているのも、
なんだか、微笑ましい。

その中で、やはり一際元気なのは、夏休みの子供達。
友達と連れ立って、みな自発的に手伝いをしたり、かき氷機を回したり、
その身体から楽しさが零れ落ちんばかりに、はつらつと活動していた。
お兄ちゃんは、妹にラムネを買ってあげたり、
弟はお姉ちゃんに、くじ引きをねだったり。
「この光景、何処かで見た事が…」
などと考えていたら、何の事は無い、昔、路地裏にあった駄菓子屋の光景なのである。

銭湯を中心として、街のみんなが集まる。
街の「みんな」が、なのである。
大人も子供も、御隠居さんも与太郎も、熊さんも八っつあんも。
この人間模様が、銭湯なんだと、子供たちと一緒にラムネを飲んでいて、改めて感じた。
あの子供たちは、きっと大きくなってから、また三吉湯に来るであろう。
学生になってからか、社会人になってからか、はたまた、自分の子供と一緒にか。
桐生の街には、そう言う、良い文化が残っている。
三吉湯を辞してから、周辺の何軒かの銭湯へ伺って、帰路へ着いた。
炎天下、汗だくになりながら、ランニングシャツ一枚で薪を燃している銭湯の親父さんたち。
湯船に浸かっていながら、本当に、頭が下がる。

【天候】
朝より一時強く降る雨。
午後には回復し、その後、雲多くも晴れ。