1312声 八木節祭前夜

2011年08月05日

いまからもう、胸の奥底にある埋火が、チロチロと燃えている様な感がある。
明日の夜はおそらく、その火に八木節と言う音頭が放り込まれ、
業火となって燃えている。

明日の8月5日から三日間に亘って開催されるのが、「桐生八木節祭り」である。
今年で第48回を数える、伝統的な祭りであるが、その熱気は県内随一であろう。
目抜き通りの、「本町通り」に櫓を立てて、ひたすら八木節を輪になって踊る。
特に、午後7時からは、人出も熱気も最高潮に達し、まさにトランス状態となった大きな渦が、
八木節のステップを踏んでいると言う状況。
その輪の中へ、身を投ずる。
と言うのが、我が人生の一つの生きがいとなっている。

おばあちゃん、なのである、あるいはおじいちゃん、でもよい。
どこにでもいる様な、腰の曲がった人の良さそうな。
そのお年寄りが、祭りの半被にねじり鉢巻きをして、
覚束ない足取りで、撥を懐に、櫓に上がって来る。
音頭が始まると、太鼓を叩きながら調子を取って、マイクに向かって謡う。
「はぁ~あ~ぁ~あぁあ~あ~」と言う謡い出しで、胸の底がざわめく。
その節廻し、声量、声質、そして、醸し出ている堂々とした雰囲気。
その全てが、私を魅了する。

【天候】
終日、曇りがちなる晴れ。