「鉄板」
と言っても、別にお好み焼きを食べる訳でもなく、
話としての鉄板である。
テレビのお笑い番組などでよく聞く俗語で、
「確実な」と言った意味合いがある。
つまり、「鉄板ギャグ」と言えば、「確実な(率で笑いのとれる)ギャグ」と言う事になる。
鉄板な話。
最近の私のそれは、もっぱら「鼻の話」であった。
今年の春先に、夜道を自転車で走行中、電柱に激突して鼻の骨を折った。
と言う内容を軸とした、とても分別ある三十歳前後の男性の行動とは思えない様な、
アホらしい話、なのである。
初対面の方が多く、砕けた雰囲気の酒席などでは、真っ先に打席に立たせる。
それも立秋を過ぎて、日増しに秋めいてくる今日この頃。
使い込み過ぎて、鉄板もどうやら焦げ付いてきた様子。
と言うのは、聞いている人たちの表情で分かる。
自分に近しい人たちは、露骨に「またか」と言う呆れた表情を出すから。
今回得た鼻の話は、中々厚い鉄板だったようで、意外と「もち」がよかった。
少し磨けば、また、使える一品であると、使っている本人が密かに思っている。
私などは、その鉄板を商売に使っている訳ではないので、
手頃な物が一つ二つ有れば事足りる。
しかしながら、凝り性な性分の為か、他の人が良い鉄板持っていたりすると、
自分も、玄人好みの、もっと厚い鉄板を手に入れたくなってしまう。
そうなったら、今度は鼻の骨くらいでは済まないだろう。
鼻が治るまで、痛い思いをさんざんしたので、
今少し、この「鼻の」鉄板を使っていようかしら。
【天候】
日中、猛暑日。
今年は遅かった蝉も、ようやく派手に鳴き出した。
夕立有り。