1323声 終戦日の部屋

2011年08月15日

今日は、今年で66回目を数える終戦の日。
今年は、出掛ける用事も無く、日がな机の上で頬杖をついて、空を見ていた。
何もせずにいると、一日早いもので、これを書いている今は、もう夕暮時である。
遠くの空で夕立が鳴っており、まだ明るさの残る雲の腹は、
所々、夕焼け色に染まっている。
窓の向こう、家並の屋根の上にたわんでいる電線には、
どう言う訳か、数珠つなぎに雀がとまっている。

カレンダーの8月15日には終戦の日があって、
私の8月15日の今日は、普段と変わり映えの無い日常がある。
テレビの中には、終戦の日の特別番組があって、
片手に持っている歳時記には、「終戦日」と言う季語と、例句が沢山書いてある。
こうやって、そろそろ缶麦酒と胡瓜の浅漬けか何かで、一杯やろうかと言う日常こそ、
かけがえの無いもの。
その事に、気付かねばならない日が、今日である。

稲光と共に、雨が降り出して来た。
どんよりと紫色に染まっている、曇り空。
机の上の、飲み残してあるコーヒーカップ。
暗くなった部屋に点いている、クーラーの青い電源。
窓の外、電線の雀たちは、既に一羽もそこに居なくなっていた。

【天候】
終日、炎天。
夕立あり。