固形燃料も燃えきらぬ内に蓋を開け、
兎も角も、野菜やら豚肉やらを口の中へ放り込んだ。
広いレストランの中、腰かけて食事しているのは私一人のみ。
テーブルに沢山並んでいるお皿が、何だか独りの虚しさをいっそう助長する。
湖畔の望める窓の外は、いま、真っ暗闇。
森閑とした空気漂うレストランを後に、
句会場になっているホテル館内の会議室へ走った。
「合宿」
と表現した方が、適当かと思う。
つまりは、俳句の合宿である。
俳句の先生が音頭を取って、年に何度か開催している。
春に開催された前回は、丁度、鼻骨骨折で入院していて参加できなかった。
「今度こそは」
と、満を持して参加したのが、今回の合宿である。
「遅れました」
そろりと句会場のドアを開けると、ペンの走る音。
既に句会は始まっており、緊張した空気が室内に張り詰めていた。
やむを得ず、末席で選句の終わった皆の句を聞く。
詠み挙げられる句を聴いていると、皆がどこで何を見ていたのか、
吟行場所の風景映像が浮かんでくる。
今回の参加者は日の高い間から、この榛名湖畔を吟行しているので、
その顔に声音には、やや疲れの色が見える。
渡された予定表で行くと、部屋に戻って、今度は題詠で句会。
ビールやワインなど入って、砕けた雰囲気の中で、
句を詠んで行くが、今着いたばかりの私は、口数少なく全力で句作。
結果は、昼間の吟行がハンデとなったのか、思いがけず良かった。
私は題詠が苦手なのだが、体力が余っていた所為か、皆の選に入って一安心した。
その後は、話が弾み、風呂に入って寝る頃はもう、深夜。
明日の起床時間は午前5時なので、3、4時間程しか寝れない計算。
風呂上がりにコップのワインをがぶ飲みして、ヤケクソ気味に床に潜り込んだ。
【天候】
終日、酷暑。