1336声 晩夏の深大寺

2011年08月28日

新宿駅から京王線に乗り、調布駅で途中下車。
駅前ロータリーからバスに乗り、降車したバス停が「深大寺前」。
東京都内屈指の古刹である、深大寺へ参拝に行ってきた。

バス停から往来を渡れば、そこから、樹々の生い茂る参道が伸びている。
参道の脇には、有名な「深大寺そば」の店が点在してる。

春惜しむ深大寺そば一すすり(皆吉爽雨)

深大寺そばと言えばこの句だが、夏惜しむ今時期は、
店先に出ている風鈴や、「かき氷」の文字が涼やかである。
時期には大そう賑わうようであるが、私が着いたのがもう日暮れ時だったので、
薄暗い参道は森閑としている。

境内に入ると、ひぐらし鳴き声が濃く、晩夏の雰囲気。
立派な菩提樹の古木のみ、すこし葉先が紅葉していたが、
まだ木立には、瑞々しい夏の色が残っていた。

掲示板には「深大寺俳句大会」のチラシも貼ってあり、
やはり、俳句との縁が見られた。
参拝の後、ひと巡りして、句碑や歌碑など見て回った。
賽銭箱の横には、大柄で温厚そうな猫が一匹、涅槃仏のような格好で寝ていた。
カメラを向ける私を煙たがるように、大欠伸をひとつして、のったりと寺の裏へ行ってしまった。
境内には、近所の人であろう、時折、犬の散歩をする人が通り抜けて行った。
東京都内にあって、こう言う場所に、俳句の源流があるのだろうな、と感じた。

【天候】
終日、薄曇り。
残暑の一日。