1354声 居待月俳句会

2011年09月15日

今回もまた、俳句の話であるが、
それが現在の私の生活色なので、仕様が無い。

今日は、前橋市田口町の知人が不定期で開催している句会に、参加して来た。
「月見句会」
なんて、今回は随分とオツな句会であると、聞いていた。
十五夜を過ぎて、「居待月」でも眺めながら、句をひねろう。
てぇんで、集合場所の駐車場へ着き、主催者に案内されたのが、鬱蒼とした山林。
昼間に見れば、野趣あふれるキャップ場と言った風情だろうが、
なにしろ、現在時刻は夜である。
野営しているゲリラ部隊と言った雰囲気で、参加者は皆、木製の机に着いている。

このジャングル、じゃなかった、この闇深い森の中で、取り合えず、夕食を済ませる。
懐中電灯の下で、絶え間ない虫の音を聞きながら、
句作するのだが、肝心の月が見えない。
「じゃあ」
と声を上げたの俳句の先生で、皆で車を乗り合わせ、高台まで移動。
するとどうであろう、見事な居待月が、澄んだ夜空に浮かんでいるではないか。
一面の田の畝を照らす月光は、とても清かで、吹き来る風も和やか。
あの魔の森の事など皆忘れて、一心に俳句を書き留めてゆく。

後ろ髪を引かれつつ、戻る場所はやはりあの森。
野営の本陣まで戻り、早速、句会開始。
懐中電灯で照らしながら、皆、目を細めて短冊に描かれた文字を読んでいる。
句の情景は、あの高台で見た月を詠んだ物が圧倒的に多く、
また、佳作も月の句に集中していた。

句会が終わり、皆、虫刺されの跡を掻きながら解散となった。
虫に翻弄されていた為か、満足の行く自作は少なかったが、
道端に寝転んで、大地の熱を感じながら星月夜を眺めたこと。
その星月夜に、流れ星を見たこと。
そして、あの清かな居待月を見たことは、当日の句と共に、
私にとって忘れ得ない思い出となった。

【天候】
終日、秋晴れで残暑。
夜は澄んで、居待月も清かに昇った。