今回もまた、俳句の話であるが、
それが現在の私の生活色なので、仕様が無い。
今日は、前橋市田口町の知人が不定期で開催している句会に、参加して来た。
「月見句会」
なんて、今回は随分とオツな句会であると、聞いていた。
十五夜を過ぎて、「居待月」でも眺めながら、句をひねろう。
てぇんで、集合場所の駐車場へ着き、主催者に案内されたのが、鬱蒼とした山林。
昼間に見れば、野趣あふれるキャップ場と言った風情だろうが、
なにしろ、現在時刻は夜である。
野営しているゲリラ部隊と言った雰囲気で、参加者は皆、木製の机に着いている。
このジャングル、じゃなかった、この闇深い森の中で、取り合えず、夕食を済ませる。
懐中電灯の下で、絶え間ない虫の音を聞きながら、
句作するのだが、肝心の月が見えない。
「じゃあ」
と声を上げたの俳句の先生で、皆で車を乗り合わせ、高台まで移動。
するとどうであろう、見事な居待月が、澄んだ夜空に浮かんでいるではないか。
一面の田の畝を照らす月光は、とても清かで、吹き来る風も和やか。
あの魔の森の事など皆忘れて、一心に俳句を書き留めてゆく。
後ろ髪を引かれつつ、戻る場所はやはりあの森。
野営の本陣まで戻り、早速、句会開始。
懐中電灯で照らしながら、皆、目を細めて短冊に描かれた文字を読んでいる。
句の情景は、あの高台で見た月を詠んだ物が圧倒的に多く、
また、佳作も月の句に集中していた。
句会が終わり、皆、虫刺されの跡を掻きながら解散となった。
虫に翻弄されていた為か、満足の行く自作は少なかったが、
道端に寝転んで、大地の熱を感じながら星月夜を眺めたこと。
その星月夜に、流れ星を見たこと。
そして、あの清かな居待月を見たことは、当日の句と共に、
私にとって忘れ得ない思い出となった。
【天候】
終日、秋晴れで残暑。
夜は澄んで、居待月も清かに昇った。