1361声 違いの分かる男

2011年09月22日

台風が去って、野の風物が澄んでいる様な、透明な空気を感じる。
暑さ寒さも彼岸までと言うが、定石通り。
これから、これでつるべ落とし式に、秋も深まって行くのだろう。

今日もある人に、ぼたもちとおはぎの違いを、得意げに説明されたが、
知らん顔で聞いている振りをしていた。

「春に咲く牡丹の時期はぼたもちで、秋に咲く萩の時期はおはぎ」

毎年、どこかで耳にする話なので、当然ながら知っている。
しかし、近年では、一年中「おはぎ」として販売している品物もあるので、
それを知らないも増えてきているのであろう。
かく言う私も、春の小豆は皮がかたく、その皮を除いてこしあんにし、
秋には新豆が採れるので、やわらかい皮のままつぶして、粒あんにする。
と言う、時期の小豆状態に合わせ、そのあんを作り分けている事までは知らなかった。
そう言う生活の繊細な機微が、日本人が受け継ぐべき文化だと思う。
従って、私におはぎとぼたもちの違いを得意げに説明した方は、文化の伝道者なので、えらい。

そう言えば先日。
ほのじで店主と、「世界の地麦酒飲み比べ」と言うのをやった。
市場のような場所で、10種類くらい世界の地ビールを仕入れて来ていた。
机の上に並べて、一本づつ、飲み比べて行く。
ピルスナーにペールエール、ヴァイツェンにスタウト。
主に、ヨーロッパの麦酒が多く、店主と私、
共に行った事の無いヨーロッパに、思いを馳せていた。

「ホップの苦みを抑えた、モルトの香りと旨みを感じますか」
などと、酔いも手伝って、快調に講釈を垂れてゆく私。
メモをとっている店主を眺めつつ、もう一口。
この日は飲み比べなので、これも許されるが、
巷の酒場で私と一緒の席に着いた方は、さぞや不快だろうなと、思った。
「ぼたもちとおはぎの違い」
のように、私にも、
「ラガーとエールの違い」
を人に話す時は、注意せねばと思った。
秋も深まるこれからは、麦酒の時期であるから。

【天候】
終日、台風一過の秋晴れ。