若い時分から、胃が丈夫な方ではなかった。
好き嫌いこそないものの、食が細かったし、食べ過ぎてもたれる事も、
食欲不振になる事も多かった。
同世代の友人たちの、驚異的な食欲にいつも圧倒されていた思い出がある。
酒を飲み出す様になると、幾分、胃が鈍感になって来たのか、
量が食べられるようになった。
比例して、体重は年々増加の一途を辿るようになってしまった。
30歳の大台に手が届く年齢になり、最近ことに、胃腸機能が衰えて来た感がある。
今朝も、朝食に前夜食の残りものであるから揚げを二つ食べたら、それだけで、
なんだかもう、昼ごろまで胃が重たかった。
日々の生活の中でも、脂こってりの洋食よりも、あっさりとした和食を選ぶ機会が増えた。
身近なところでは、ほか弁を買う際、から揚げ弁当やカツ丼などの重い弁当から、
幕の内やシャケ弁当など軽い弁当が、レジの前のメニューで目に付くようになった。
そう言う食事の傾向になっても、一向に痩せないのは、
私がもう中年の体内環境になっているからだろう。
今日入った牛丼チェーン店で、カウンターに座っていた、男子大学生と思しき若者。
牛丼(大盛)を片手に、カレーライスを食べていた。
驚愕に値する旺盛な食欲だが、その青年はとても痩せていた。
その辺りが、若者と中年に差し掛かった自分との、大きな差なのだと感じた。
椎茸に茄子、茗荷に春菊。
そう言った物の味がだんだん、好きになって来た。
自分の舌が、所謂、渋い味覚に変わって来ていることを、日を追う毎に実感している。
外食でステーキやハンバーグなど、著しく食べる機会が減ってしまった。
これまでの人生、麦酒一辺倒だったが、これからは、胃の事も考え、
日本酒へも接近して行こうと思う。
日本酒が麦酒よりも胃に優しいかどうかは分からぬが、
ジョッキでがばがばと、腹がたぷんたぷんになるまで飲まずには済む。
さて、そう思うと、熱燗の時期が待ち遠しい。
【天候】
終日、雲一つない秋晴れ。