1376声 有りの実

2011年10月07日

「幸水」や「豊水」は時期が終わってしまったが、
「二十世紀」や「秋月」などは、丁度、10月前半の今時期が食べ頃である。
先日、この二つの種類の梨を頂いて、いま、梨三昧の生活を過している。

群馬県内でも、東では明和町の新里、西では高崎市榛名の里見などが、
梨の産地として有名である。
私は住んでいる地域が高崎市なので、「里見の梨」が馴染み深い。
他所の家で、梨を頂くと、「里見ですか」と思わず聞いてしまう癖までついてしまった。
大きな視野で見れば、関東地方で「梨」と言ったら「千葉」県なのだろうが、
今でも梨と言ったら里見と言う観念が抜けない。

それは、里見の梨の味を信頼しているからだとも言える。
「日本全国、梨の産地は数あれど、里見の梨に勝る物なけれ」
と、心の片隅で思っている。
学生時分、群馬県外に出て、他県出身の知人に話しても、
誰一人として里見の梨を知らなかった。
それは新里の梨とて同じ。
しかし、郷土とはそう言うものだと、後年思った。

「梨の実」は「有りの実」とも言われる。
「無し」だと縁起が悪ので、「有り」にしたのだと言う。
私たちにの祖先には、確実に「お調子者」の血が流れているようである。

【天候】
終日、秋晴れ。
午後より風強し。