’へうげもの’

2007年06月15日

週刊「モーニング」の人気連載。
大人になって唯一読んでいる漫画です。

たまたま読んでいた情報誌のなかに、
これについてのミゴトな説明がありました。

『時代は信長でも秀吉でも家康でもなく、織部である。と、きちんと書いておきたい。・・・「へうげもの」は、戦国時代、「武」ではなく「美」に重点を置いた茶器などを言い表す。「へうげ」とは「ヒョウ(票にリットウと書く)軽」という意味。なので、圧倒的な美というよりも、遊び心が重要。古典的仮名遣いでHyouge-monoと読む。そして、その心こそ、茶の席における「余裕」なのではないか、などと勝手に解釈している。
 その遊び心だけれども、誰にでも通じるものでもないし、何より絶対的な価値などではない。その遊び心を持った人の感覚の中でしか通じない。というより、通じることに意味がある。例えば乳首をモチーフにした茶碗を粋に感じることができるかどうか。けれども、そこにこそ、モチーフを選んだ織部の存在があるし、メッセージがある。
 その主人公、古田左介は下級武士の出身だが、数寄に対する人並みはずれた情熱と物欲が彼を動かし、やがて重臣となり織部を名乗る。武力ではなく「ノリ」あるいはひょうきんさで生き延びてしまう武将として描かれている。・・・
 「へうげもの」が持つ余裕こそ、時代が求めているものではないか、だからこそ信長でも秀吉でも家康でもない、そう思う。ぼくはそうやって自分が生き延びることができる、そう思っている。』