降ったかと思えば止んで、止んだかと思えば降って。
しかし、傘をさすほどでもないのが、救いであった。
高崎市の染料植物園の駐車場から、句会場である染料植物園の温室までは、
遊歩道になっている。
染料植物の木々が生い茂った、林の中を行く。
昼間でもほの暗い遊歩道は、虫の音や鳥の声が繁く絶え間なかった。
葉を打つ雨の音を聞きながら、林の中を歩き、花を愛で、鳥の声を聞き、
木の実を拾いながら句を作って行く。
ひびき橋まで来ると、先生や句会の参加者が、7、8人点在していた。
観音山の薄紅葉や、聳える白衣観音が見えるので、皆、
その景を句にしようと試みているらしかった。
ひとしきり時間を過し、句会場まで戻り、10人20人と集まり来て、
伝統俳句協会群馬支部の句会。
鬼胡桃、橡の実、野菊、檀の実など、秋の観音山ならではの季題で、
巧い句が沢山あったのに舌を巻いた。
私は薄紅葉を詠んだ句が、ひとつ選に入ったが、総体的に出来が悪かった。
「俳句に触れる」
と言う事もそうだが、まずは「自然に触れる」と言う事を、今一度考えねば。
そう感じた。
木々の名前、木の実の名前、虫の名前、鳥の名前、そして、花の名前。
それは、自分が句作する上では、
あまり問題ではない(知っているもので作ればいいので)のだが、
他人の句を鑑賞する時に、弱ってしまう。
なので、野や山や街や路地裏、色々な場所に吟行に出掛けると言うのは、よい。
山登りなどしない私にとっては、特に、里山で気分転換する動機付けになる。
【天候】
終日、ぐずついた雨天。