1428声  西日暮里俳話

2011年11月29日

「どうですか、このあと」
句会が終わってから二次会に誘って頂いたので、
お邪魔させてもらうことにした。
東京、のみならず都市部での句会は、句会の後に酒場。
と言うコースが一般的なのであろう。
主に私の参加している郷里の句会では、その殆どの参加者が車なので、
「じゃあ一杯」と言うのが難しい。

西日暮里駅近くの居酒屋。
土曜日ながら、早い時間なので店内は空いていた。
座での酒の肴は、当然ながら俳句の話。
都内の現役大学生たちと、群馬の片田舎から出て来た私と、
共通の話題など俳句くらいしかない。
先程の句会でお世話になった先生が、進行役なので、
会話に窮する事はなかった。

熱燗の杯が空くごとに、話も俄かに熱を帯びて来る。
句会で出合った俳句を振り返り、褒めたり貶したりするのは、
俳句愛好者にとって至福の時間である。
話題は俳句の「動き」に至り、
「どこの結社のたれそれが、最近、勢いがある」
「あの先生の句は、最近ますます良くなってきた」
など、やはり耳にする俳句情報は、群馬県在住者には新鮮なものばかりであった。

夜も深くなる前に解散となり、西日暮里駅の改札口で別れた。
雑踏の中に消えてゆく、若き俳人たちの背を見送り、
マフラーを巻き直してから、一歩づつ階段を昇った。

【天候】
終日、冬日和。