1435声 舌ダイエット

2011年12月06日

貧乏なくせにここ数年で舌が肥えきているので、困っている。
それは、こと酒に限定される。

親しい知人などは、私が無類の麦酒好きと知っており、
お土産や贈答で、各地の美味しい麦酒をもらう事がある。
自分でも、「せめて麦酒くらいは」と言う気持ちがあるので、
好きな銘柄の麦酒が置いてある酒場を選んで、出掛ける事もしばしばある。
量販店で買う時も、薄い財布を更に薄くして、発泡酒で無く麦酒を買う。
それなので、舌が美味い麦酒の味を覚えている。
あやしげな店であやしげな麦酒が出て来た時は、すぐに舌と鼻が、
そのあやしい匂いを嗅ぎわけてしまう。

反面、他の酒類、例えば日本酒に関してなど、全くの無知。
安酒場で、「酒」と注文して、徳利に入っている日本酒がどんなものか、
全く嗅ぎわけることができないし、当然、良し悪しも分からない。
純米大吟醸でも、自動販売機のワンカップでも、私にとっては大差ない。
と言うのが、数年前までも私であった。
しかし、いまは違う。

近しい人。
例えば、ほのじ氏だったり俳句の先生だったりが、無類の日本酒党である。
なので、どこそこの酒蔵の何某と言う酒、つまりは逸品を口にする機会が多くあった。
一緒に酒場などへ行っても、日本酒の銘柄が少ないと、直ぐに眉間が曇ってくるが分かる。
数年前には、日本酒愛好者(と言う名の周辺に蔓延っている飲んだくれ)たちでバスをチャーターし、
新潟で開催されている「酒の陣」へ行って来た。
酒の陣では、新潟の酒蔵が一斉に介するので、様々な銘柄の酒を一網打尽で飲める。
そんな事を繰り返しているうちに、どうやら、僅かながら舌が肥えて来てしまった。

具体的には、安酒場で熱燗など飲んで、「まぁ、こんなもんか」などと、自らを納得させている。
麦酒だけならまだしも、麦酒も酒も、ではいくらなんでも、懐の具合が悪い。
それならば、懐の具合を潤沢にし、好きなもの飲んだら良い思うが、これから年末にかけて、
ますますそうも行きそうにない。
したがって、肥えた舌をダイエットさせるべく、最近、もっぱら安酒を飲むようにしている。

【天候】
終日、冬日和。
冷え込み強し。