1455声 一夜にして

2011年12月26日

自動ドアが空いて、驚いた。
一夜城だって、こんな鮮やかに構築されない。
と言うくらい一夜にして、新年の設えが構築されている、コンビニ店内。
昨夜の煌びやかな、クリスマス装飾から一転。
レジ横に小型鏡餅が陳列され、本棚には新年号の雑誌が並んでいる。
そして天井には、サンタクロースに代わり、来年の干支である辰の、
手作りPOPが吊ってある。

昨日まで、サンタクロースの衣装を着ていた店員さんも、
すっかり普段着に戻り、いささか疲労の色が顔に滲んでいる。
冬休みで、部活動の遠征に来たのか、中学生男子が店内に十名ほど。
皆、「郡山~」と背中に大きくプリントされたジャージを着ており、言わずもがな、元気である。
それに引き換え、店員さん然り、本棚の前で立ち読みしている私を含めたおっさん連中然り、
大人は例外無く、疲れ切った顔をしている。

コンビニの店先で、温かな缶珈琲で束の間の暖をとっていると、先程の中学生軍団が出て来た。
高崎市街地のビジネスホテルにでも帰るのか、皆、手にはペットボトルやらが入った、
ビニール袋を持っている。
寒風吹きすさんでいると言うのに、彼らはジャージ一枚で、元気に飛び跳ねながら日暮の街を行く。
ゴミ箱に空缶を捨てると、「コン」と、情けない金属音が暗闇の中にこだました。

【天候】
終日、冬日和。
連日の乾燥注意報。