1469声 群馬の三助

2012年01月09日

窓は、雲一つ無く澄み亘った青空である。
それがもう、目に沁みて痛い。
いわんや、二日酔い。

這いつくばるようにして、近所の日帰り温泉へ出掛け、
入浴と言うか、ただひたすらに治癒していた。
浴室で椅子に腰かけたまま、半分寝ていると、背中から声。
「旦那、お背中お流し…」
振り返ると、お世話になっている知人であった。

三助。
と言う役職の仕事内容の説明は、長引く二日酔いの影響で、
ここでは詳しく書かないけれども、その一つに、湯客の背中流しがある。
背中を流してもらう事など、大人になってからはない。

さて、浴室に居た知人は、「三助修行」と言う事で、
現在、幾つかの日帰り温泉を中心として、活躍している。
せっかくなので流してもらうと、やはり素人には無い手つきで、
これがとても気持が良い。
「慣れたものですね」
そう声をかけると、
「常連のお爺ちゃん連中に教えてもらったんや」
と、はにかみながら教えてくれた。
話ながら流してもらっているうちに、背中がぽかぽかと温まってくるのが分かった。

【天候】
終日、快晴。