1593声 若葉風

2012年05月13日

朝から、近所の文学館に坂口安吾展を観に行ったり、知人の店で油を売ったり。
楽しい時間を過ごせていたので、夕方が早くきてしまった。
今日は、日が暮れるのが惜しまれるくらいに、風薫る良い天気だったので、
帰路の途中、箕郷町の公園へ寄ってみた。

この公園は幼い頃、祖母とよく一緒に来た公園である。
街と違って、公園の景色と言うのは、十年や二十年ではそうは変わらない。
いまはもう祖母とは来れないなぁ、などと思いつつ、園内をひとめぐりした。
左程、しんみりとした気持にならなかったのは、溌剌として遊ぶ子供たちと、
夕景にきらきらと瑞々しい新緑の木々があったからかも知れない。

ベンチに腰掛けて、俳句でもひねろうとしてみたが、若葉風が心地好く、
何だかすぐに眠くなってきた。
そのまま、横になって顔の上に帽子を乗せてしまった。
しばらくして、気が付き、帽子を外して時計を確認すると、
およそ三十分ほど寝ていたらしい。
日も大分傾いて、冷たい夜風がやってきていた。
そして、子供たちはそっくり消えていた。
途端に、寂しくなってしまって、逃げるようにして公園をあとにした。

【天候】
終日、快晴。