1595声 雨の杜若

2012年05月15日

朝から雨。
気分も鬱屈としてくるが、まだ梅雨のそれよりは、大分ましである。
春と夏の間に降るこのしっとりとした五月の雨は、神経が休まる心地がする。
それが、六月の梅雨の頃になると、もう夏の雨になっていて、
スコールのように遠慮なく降り、その後のあの不快なじめじめには、神経がまいってしまう。

傘をさして墓地の横を歩いていたら、むこうの薄暗闇にひとかたまり杜若が咲いていた。
だしぬけに咲いていた杜若の、あの青紫色の花弁が、目に優しかった。
雨の日には雨の日ならではの、風情がある。
それも、日本ならではの。

【天候】
終日、雨。